この内容は、２００５年５月に行われたパートナー事業説明会でのスピーチの一部を抜粋して掲載しております。飲料水の現状から人間にとっての水のあり方など、是非ご参考にしていただければと思います。
飲料水の現状
昨今、飲料水に対する関心が急速に高まり、水道水をそのまま飲むと言う事が少なくなって来ております。この現象は、一般消費者の水道水に対する不安感の表われと言う調査データが示されておりますが、この傾向はここ１０年前後から顕著に起きている現象であります。
我々が子供のころ、少なくとも４〜５０年前はこのような現象はありませんでした。
飲料水を水道水以外から、しかも有料で購入することなど考えもしなかったことです。これは取りも直さず水道水が安全ではないと言う事に繋がっていると思われます。
ではなぜこのように僅か数十年の内にこのような事になったのでしょうか？
この原因の大きな要因は、有害な化学性物質であると言われております。プラスチックに代表される生活必需品、農業に欠かせない窒素肥料、紙を白く漂白させるダイオキシン、農薬、有機溶剤に含まれるトリクロロエチレン等、数え切れない化学性物質を使用した生活必需品が、我々の生活を一見快適、便利にしてきましたが、その結果、今大きなつけを払い続けなければならない状況にあるのです。
払い続けるというのは一代限りでなく子々孫々まで、この負の遺産を継承し続けることなのです。 なぜ、このようなことになったのかと言うと、有害な化学性物質が元になってできた便利な生活必需品の役目を終えた廃材をところ構わず廃棄したものが土壌や飲料水の原水に混入してしまたのです。この土壌から生まれた農作物、果物、混入した水で育成された魚貝類や飲料水が体内に入り、排泄される事無く蓄積され続け、あるとき身体に異常が出て気が付いたということです。
本来、天然のものは無害であり、万一有害なものが体内に入っても蓄積されること無く、取捨選択の機能が本来の人間に与えられており、処理できる事になっています。
ところが人間が化学の力をかりてこしらえた生活必需品の原料である化学性物資の残骸が、体内に入ると、本来持ち合わせている取捨選択機能が麻痺してしまうのです。ようやくこれに気が付き、ゴミの分別化等をするようになりましたが、少なくとも２０世紀の約１００年のつけは今後何年かかるか判らないほど、途方も無い大きな額のつけを払い続けねばならないことは確かなことです。
このような現状での対策の特効薬は、水を汚さないことです。また、できる限り化学性物資でできたものをつかわないことではないでしょうか？しかしながら、これから先はこれでよいかもしれませんが、過去約１００年の間の土壌の汚染による原水のろ過、浄水機能に対してはいかなる方策があるのでしょうか。
水ブームにより、ボトルドウオーター、宅配水、浄水器等が氾濫していますが、本当にすべてが効能どおり機能しているのか検証する必要があります。
結論から言いますと、現時点では、有害な化学性物質を安全な状況まで除去可能な浄水方法は、RO逆浸透膜システムしかありません。なぜ、RO逆浸透膜なのかと言うことを判りやすく以降に説明します。
人間と水の関係
成人の体の約６５％は水分でできていると言われております。なぜ、そのように水分が必要なのでしょうか？人間が誕生し幼児期までは水分保有は８０％以上で老齢化すると５０％を割るほど体内の水分は変化します。なぜ、このようになるかと言うと、体内に保有されている水分の大きな働きは
- 血液という栄養素の塊を約９０％の水分で溶解し、動脈から末端の細胞まで栄養を補給し、静脈により不要な細胞の死骸等を回収する働き。
- 体内に必要な栄養素を取り込むために水分を必要とする。
- 体内に取り入れ不要となったものを尿、便（７０％水分）の水分の力で排泄する。
- 体温を調節するための発汗作用に水分が必要である。
以上が主な体内の水分の働きです。このように必要なものを取り入れ、不要なものを排泄する、出入りの働きに欠くべからずのものが水分であります。また、この出入りを新陳代謝とも言いますが、ここでおわかりのように、成長過程の人間は特に多くの水分を必要とします。
従って、成長著しい幼児、子供の体内の水分が多く、成長の止まった老人の体内水分が少ない理由が理解できたと思います。
この重要な体内の水分を補給するための飲料水、調理水はどのような水が必要なのかという事も結論としてご理解頂ける事と思います。
安全でしかも、有害な化学性物質の混入していない水を体内にとりこむことが必要です。
ミネラルたっぷりの栄養ある水が本当に必要で価値あるものなのでしょうか？
栄養素は食べ物から摂り、その栄養素の塊の血液を早く体内中に供給し、不要なものを回収する水は、寧ろ余分なものが混入していない、安全かつピュアな水が最適であるという結論になります。人工的なミネラルは体内に入り必ずしも必要なミネラルにはならない可能性があることも認識し摂取する必要があります。（有機と無機ミネラルの違い）
有害な化学性物質が体内に混入するとどうなるか
ヴェトナム戦争の枯葉剤による奇形児、水俣病の有機水銀、サリドマイド過による障害児の誕生は、あまりにも悲惨な事実として世界中を震撼させた大事件です。未だに補償の決着がついておりませんが、何故あのような事が起きたのかと言うメカニズムは、早くに解明されております。しかしながら、このメカニズムを承知している日本人は世界中で極小数でしょう。
だから未だに、日本の水は世界有数のよい水であると呪文を唱えるように思い込んでいる節があります。余談と言い切りたいところですが、このノー天気さがすべてに置いていかれている大きな原因ではないかとも思います。
年々厳しくなる飲料水の水質基準というものがあることは、多くの人たちの承知するところですが、この使用基準を承知している人は希薄です。 基準値以内の水であれば、どのように飲み続けても大丈夫というようなことです。つまり使用基準のことです。
この基準値は項目の量は別として、ほぼ世界基準でしかもWHO（世界保健機構）で決められたものです。
安全な使用基準値とは、体重５０kgの人が一生涯のみ続けても安全であろうと言う数値です。 大体１５歳くらいで５０kgに達し、一生涯というのは日本人の平均年齢からすると８０歳強ぐらいですから、約７０年間摂取し続けても大丈夫であろうという事です。
でも、お気づきと思いますが此処に大きな落とし穴があります。冒頭申し上げた奇形児、障害児のメカニズムが隠されている驚くべき事実です。
ヴェトナムのベトちゃん、ドクちゃんの奇形のメカニズムはこう言うことです。
あの双生児を生んだ母親は多分、ダイオキシンが大量に散布された土壌で作った農作物を食べたり、そこの原水を摂取したか、流入した川、海岸で採れた魚貝類を食べたでしょう。
幸い母親は体重が５０kg前後あったと考えられますが、たまたま妊娠したときの胎児の体重は約１０g程度で１０ヶ月の間体重は増えますが、基本的には母の胎内にいるときは、強制的に母親の摂取した物がそのまま入ることになります。
５０KGとは５０、０００グラムのことです。
安全基準の５０、０００グラムで安全であっても１０グラムの胎児には５、０００倍の衝撃がかかり、成長し５００グラムになっても５００倍、１００倍の衝撃がかかり続けることを想像してください。死亡事故に繋がる交通事故の衝撃でも数十倍の力が一瞬加わって死につながるのです。この子は３００日、７、０００時間以上この衝撃に耐え続ければならなかったのです。おそらく想像を絶する苦しみであったでしょう。
さらに誕生しその姿を世間に晒しながら生き続けるという筆舌に尽くしがたい運命を背負いながら母子とも生きるのです。
この大きな問題の根源の一つに、５０kgを人間の基準に置いている事です。
１０グラムでも生を受けた以上は人格を持った一つの生命体です。
本来ここに安全規準値を置くべきではないのではないでしょうか。
さらにすべての障害のあることに共通しているのは、母親にはなんらの障害も無く子供のみに起きている事実が驚くべきことです。何の罪の無い子供にどうしてこのようなことが起きるのでしょうか？この子を産んだ母親の苦悩はさらに悲劇に拍車をかけます。想像はしたくありませんがご自身または近親者に置き換えて考えてみてはいかがでしょうか？
この諸悪の根源は有害な化学性物質のなせる業です。
先ほどの障害児の誕生はこれで終わりではなく、生まれた子供にも確実に、この負の遺産は受け継がれ、減ることなく足し算で将来何代か先でまた繰り返す可能性を確実に残しているのです。
たまたま我々は運良く、すり抜けてきただけということを肝に銘じることが必要と思います。ちなみにヴェトナムではダイオキシン過予備軍が５００万人以上（人口５千万人の１０％以上）でしかも減ることはないそうです。
結び
以上お話したことは脅しで何でもありません。
我々の命の根源である水がこのような状況にあることを認識することが肝要であります。
さらに、水が勝手に汚染されたのではなく、私を含めた、今日お集まりいただいた皆様方がこの汚染に加担したことは間違いありません。少なくとも、皆様方水事業に参画される方々は普通の人以上に水問題に関心を持ち、浄水器を売る前に水を汚さないという事を資格にしなければならない事です。
そして、既に過ちを犯した過去約１００年のつけによる汚染された水を浄化するために浄水器が必要である事は、第二である事の順序を間違ってはなりません。どちらも過去の負の遺産を子孫のために残してはならない事を認識すれば難しい事では無いことがお分かり頂けると思います。本来食べ物に含まれている有害な化学物質をも除去しなければ片手落ちということは解っておりますが、取りあえず出来る事からやろうではありませんか。
最後に今日から誰にでも出来る水を汚さないことを紹介します。
歯ブラシにつける歯磨き粉の量は、マッチ棒の先の赤い部分の量で十分です。通常の１０分の１、２０分の１の量です。余分な量の歯磨き粉が流された排水をろ過するためには、途方も無い労力を遣っても完全にはならない事がお分かりのはずです。
今日会場に来られた皆様方のご家族が一斉に実施されることにより将来大きな力となって帰ってくることを確信して実行してください。
ご清聴有難うございました。
